スカラベ-古代エジプト文明

Scarab

スカラベとは？

「世界で最初に神格を与えられた昆虫のスカラベ」

古代エジプトの神秘的なシンボルである「スカラベ」についてお話しします。
スカラベは、その美しいデザインと深い歴史から、アクセサリーとしても人気があります。
インドでは１匹のスカラベがいれば、土地が豊かになると言われ、大地の守り神と考えられているとか。スカラベは世界で最初に神格を与えられた歴史の古い昆虫なのです。
ここでは、スカラベの特徴、神話、歴史、どんな人におすすめか、そして使い方について、詳しくご紹介します。

スカラベの特徴

スカラベのアンティークは主にエジプトで発見されることが多く、エジプトの砂漠地帯で見つかっています。古代エジプト人にとって非常に重要な存在でした。スカラベは、日本ではふんころがしとして知られる、甲虫を模した信仰の対象とされた石や金などにカービング（彫刻）が施された装飾品（お守り）です。

スカラベの神話と歴史

「太陽神ケプリ−幸運のお守り」

スカラベは、古代エジプトの宗教や文化において非常に重要な役割を果たしていました。エジプトの神話では、スカラベは再生と復活の象徴とされており、太陽神ラーの化身とも言われています。古代エジプト人は、スカラベをお守りとして身につけることで、悪霊から身を守り、幸運を引き寄せると信じていました。
古代エジプト人は、糞玉を転がして大きな球体を作るスカラベをみて、その球体を太陽とみたて、スカラベを太陽の運行を司る神、太陽神ケプリの化身に位置付けました。

「エジプト王朝最後の王ツタンカーメンも愛したスカラベ」

太陽は復活と、再生のシンボルとして崇められ、４千年前からスカラベの護符や装飾品を飾ったのでした。
わずか18才で謎の死をとげたエジプト王朝最後の王、ツタンカーメンも、自分の即位名の一部にケペル（スカラベ）を用いたことで、益々スカラベ信仰は広がっていったのでした。

「スカラベのリング」

スカラべは、なぜかオスしか存在しないと信じられていたユニークな昆虫で有るため、武人再生の象徴として、兵士たちにスカラベ型の指輪をはめることが流行しました。そしてこの風習は、古代ローマ兵士にも伝承され、長く受け継がれたのだとか。

「天然石のスカラベアクセサリー」

スカラベは必ずしも王専用のシンボルでなく、役人や聖職者もスカラベアクセサリーを用いたそうです。

巨大なモニュメントなどを除けば、アクセサリー（装飾品）としてのスカラベの大きさは、1～12cmほどで有るものが多く、多彩な鉱物でカービングされていた様です。
グラナイト（黒花崗岩、閃緑石）、オブシディアン（黒曜石）、水晶、トルコ石、ジャスパー（碧玉）、 マラカイト（孔雀石）などの今でもよく知られる天然石から、時には金や銀まで用いられていたのだとか。

それらはエジプトの各地から出土し、世界中の博物館でスカラベを用いたアンティーク品を見る事が出来ます。