日本の怪談ー幽霊子育て

こんにちは ボーディーツリーです。

日本の少子化が進んで、50年後には日本の人口は8000万人になるとも言われていますが、相変わらず、児童虐待でいのちを落とす子供や、7人にひとりは貧困状態という悲しいニュースを沢山耳にします。一体いつから日本は子供を大事にしない国になったんでしょうね。京都に伝承される『幽霊子育て』の怪談こそ、今の日本人に最も知ってもらいたいお話のひとつだなと思いました。

幽霊子育て

ある夜、店じまいした飴屋の雨戸をたたく音がした。主人が出てみると、青白い顔をして髪をボサボサに乱した若い女が立っていた。「飴を下さい」と一文銭を差し出す。主人は怪しんだが、女の悲しそうな小声に心を動かされ、飴を売った。

翌晩も、その次の晩も、女は同じように飴を買いに来た。主人が「どこに住んでいるのか」と尋ねても、女は答えずに消えてしまう。七日目の晩、女は「もうお金がないので、これで飴を売ってほしい」と女物の羽織を差し出した。主人は気の毒に思い、羽織と引き換えに飴を渡した。

翌日、女が置いていった羽織を店先に干しておくと、通りがかりのお大尽が店に入ってきた。「この羽織は先日亡くなった娘の棺桶に入れたものだが、どこで手に入れたのか」と尋ねる。主人は女が飴を買いに来た経緯を話した。お大尽は驚き、娘を葬った墓地へ向かった。

新しい土饅頭の中から赤ん坊の泣き声が聞こえた。掘り起こしてみると、娘の亡骸が生まれたばかりの赤ん坊を抱いていた。娘の手に持たせた三途川渡し代の六文銭は無くなっており、赤ん坊は主人が売った飴を食べていた。

お大尽は、「娘は墓の中で生まれた子を育てるために幽霊となったのだろう」と悟り、「この子はお前のかわりに必ず立派に育てる」と誓った。娘の亡骸は頷くように頭をがっくりと落とした。その子供は後に菩提寺に引き取られ、高徳の名僧となったという。

この怪談は、伝承する土地に依って細かい違いはみられますが、全国に存在し、元々は中国の「餅を買う女」の怪談が、仏教説話として日本に輸入されたと考えられています。「飴買い幽霊」という落語の題材にもなっています。

幽霊子育て飴

京都には、この子煩悩の女の幽霊が、飴を買いにやって来たといわれる飴屋が、
かつての霊場である六原に現存するのですよ!

お盆にご先祖の霊を「六原珍皇寺」へお迎えする場所「六原珍皇寺」の参道あたり、
あの世とこの世の境界とされている「六道の辻」にお店はあります。因みにこの辺り一帯は、昔墓地だったそうです。

幽霊子育て飴の製法

幽霊子育て飴は安土桃山時代の製法のままで、砂糖は一切使われておらず、天然の麦芽糖を抽出して、煮詰めて固めるという、今ではほとんど見られない製法を採用されているのだとか。無骨にカットされた優しい甘さを持つ素朴な逸品です。

みなとや幽霊子育飴本舗
〒605-0063 京都府京都市東山区轆轤町 東入ル西

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