お気に入りのBBCラジオ番組の一つに
人々の特異な体験を紹介するものがあるのですが、
こじんまりまとまった日本人のミクロなスケール感からすると、
想像をはるかに超えていて毎回驚く。まったく世界は多様な海です。
こないだ取り上げられていたのは、生まれつき世界がモノトーンに見える人のストーリー。
中東かどこかアジアの方で、アーティストでしたが、
イギリス留学時代に自分と同じ識色障害を抱えた人々が
テクノロジー技術を用いて、問題とクリエイティブに関わっている事に触発されて、
自分の脳に周波数から色を認識するアンテナを移植するという(!)
手術を思いつき、なんと成功させた事で有名になりました。
その代り、彼の頭には常に物理的にアンテナが刺さっている状態。
手術してくれる外科医を見つけるのに相当苦労したみたいだけど、
匿名ならば…とブラックジャックが見つかるところも凄いけど、
色々と捨て身技というか、狂ってるな。
彼は様々なアーティストの楽曲を聞いて、
曲の持つ周波数から色を識別する事にも成功したそうだ。
ショパンは緑とピンク、ベートーベンは青、モーツアルトはピンク…という具合に。
ペルーアマゾンに籠ってお茶の儀式をしていた時、
音が線状のカラフルな波形となって感じられる体験をした事がある。
遠くをいくポンポン船の、ポンという音は、ギザギザの矢の様に尖っていて身体に刺さる感じ。
外で鈴虫の様に鳴く虫の声は円形で波紋の様に広がっていく感じ…という具合だった。
ある日教会から聞こえてきた音楽は、とっても邪悪に感じられて、
地球に配置された悪魔基地かもしれないと思った。
人間の脳は小さな宇宙とは、言い得て妙であります。