迷子になったコザクラインコ

こんにちは ボーディーツリーです。

先週、ボタンインコ(ブル子)と6年間つがいで飼っていた
コザクラインコ(レモン)を誤って迷子にしてしまいました。
その日は午後、夜と新しい仕事のインタビューや、
趣味の仲間とのグループミーティングが入っており、
春のイベントのオーガナイズもあり、忙しく考え事をしていて
いつもベランダで水浴びをさせている小さな籠をうっかり
落下させてしまって、籠が分解。ボタンは水を被って
フリーズしていたので、とっさに捕まえられましたが、
コザクラは驚いてマンションの反対側へと飛び去ってしまいました。

その後、何をしていたのかあまり記憶がありませんが、
直ぐ外に出て傍に居た人にインコを見なかったか聞いて、
マンションの周りをぐるりと探したのですが見当たらず、
とりあえず保護されていた時の為に届け出を出そうと、
警察に向かいました。

動物には帰巣本能があるし、パニックが落ち着いたら
戻って来るだろうと軽く考えていましたが、それが大間違いでした。
その日は11月末だというのに暖かく、今まで外で飛んだ事がないインコに
外界は刺激的で興奮したのかもしれません。

日暮れ前のインコ達の食事タイム頃、お腹を空かせて戻るかもと思い、
つがいのボタンを籠に入れ、近所を歩いて回りました。
すると聞きなれた甲高い声が、後ろから頭上をスーッと飛んで行きました。
追いかけていくと、近くの公園の大きな木のてっぺんから、
ブル子の呼び鳴きに反応するレモンの鳴き声がします。
どうやら木の上にスズメや他の鳥達と一緒に居る様です。

暫く公園に留まって降りてくるのを待ちましたが、姿を見せず、
降りて来る気配がありません。とうとう日が暮れてしまって、
施設から帰宅する人が集まってきたので、今日は無理かもしれないと思い一旦引き上げました。
夜、気になって餌を持って公園の木の下から呼びかけましたが静まり返っています。
鳥は夜、完全に息を潜めてしまうので無理もないのですが…。
夜中まで捜索チラシを作り、翌朝ブル子を連れて公園へ向かいました。
その朝はブル子の呼びかけに反応がありませんでした。
隣接する施設やマンションの管理人の方にチラシを掲示して頂く様、お願いして回り、
付近を捜索していると、公園とは反対側の住宅街で、前方から頭上をスーッと通り過ぎ、
高いお家の屋根にとまったレモンを発見しました!

ブル子の呼び鳴きに反応し、電信柱の電線の所まで下りてきて、
手を差し出すと、こちらに飛んで来ようとする仕草をしたと思った瞬間、
もの凄い勢いで踵を返し、マンションの高層階のベランダに飛んで行ってしまいました。
後を追いかけてみると、そこにレモンの後を追ってきた様な大きなカラスも飛んで来ましたが、
何かに驚いてどこかへ飛んでいきました。レモンの姿はまた見えなくなってしまいました。
どうしたものかと途方に暮れて、一旦家に帰りました。
お昼過ぎ頃、鳴きながらうちの前の道路を飛んで行ったのか聞こえたので、
窓を開けて呼びましたが、声は聞こえなくなりました。

この付近に居るみたいだから捕まえられるだろうと、SNS拡散をして皆様のご協力を仰ぎ、
日暮れ前またブル子と捜索に出ましたが、その夕方は呼び鳴きに反応がありませんでした。
いよいよ心配で眠れなくなり、翌朝はもっと早く起きて捜索範囲も拡げ、
朝と日暮れ前歩き回りましたが、やはり呼び鳴きに反応がありませんでした。

朝、目が覚めるとケージにレモンが居ない現実を再認識しなければならず、
心配で堪らなくなり、起きる事がしんどくなりました。何を見ても思い出して泣いてしまいます。
インコの存在がこんなにも大きいものだった事に、今更ながら気づかされます。

東京は気温が急に下がり、通常の冬の様相になってきていました。
冷たい風が吹く夜、街の音が暗闇に消えていく時間に、レモンが遠くで鳴いている様な幻聴が聞こえました。
もしかしたら本当に鳴いているかも?と、こんな夜更けにあり得ないと思いながら、いてもたってもいられず、
録音したブル子の声をスマホで流しながら、近所を徘徊しました。しかし、聞こえてきたのは風の音ばかりです。

家に戻り、ベランダに出て一服しながらレモンの事を思っていると、流れる雲の形が眠っているインコの顔に見えました。
「レモン帰って来て!待ってるよ」と心で思ったら、片目だけが開いて此方を見て微笑んだ様に感じました。(実際のインコも微笑むのです)
そして雲の合間にキラキラ光る星もひとつのぞいたのでした。翌日も早朝と夕暮れ時にまたブル子と捜索に出ましたが、やはり反応はありませんでした。
レモンはこの辺りにもう居ないと感じているけど、公園の雀の餌場の様な所におまじないの様にシードを撒いて回った。

レモンは優しいいい子だったからなのか、私がブル子の籠をさげて捜索していると、色んな方が声をかけてくださり、
チラシ貼りなど協力を申し出てくれて、人の優しさが身に沁みるのでした。ご近所様も心配して夕食を差し入れてくださったり、
一緒にレモンを探してくれている。東京は砂漠じゃなかったのでした。愛の存在ラブバードは、その力で人と人をも繋げてくれるんですね。

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